「会いたい」と思うのはどんな瞬間?ゲイ掲示板を開く男たちのリアルなきっかけ
「じゃあ、またな」
友達と飯を食って、くだらない話をして、駅前で別れる。
今日は普通に楽しかった。別に寂しい一日だったわけでもない。
それなのに、一人になった途端に少しだけ物足りない。
まだ帰るには早い。明日は休み。電車もまだある。
そこでスマホを開いて、何となくゲイ掲示板を見る。
朝から誰かを探していたわけではない。ほんの数分前まで、誰かと会う予定なんてなかった。
それでも突然、「今から誰かに会ってもいいかも」と思う瞬間があります。
「会いたい」は、意外と小さなことで始まる
誰かに会いたくなる理由は、恋人が欲しいとか、孤独がつらいとか、そんな大きなものばかりではありません。
むしろ日常のちょっとした“空白”で、急に誰かが気になることがあります。
まだ今日を終わらせたくないだけの夜もある。
そんなとき、普段なら何となく流している募集が急に気になります。
「今から」「近くで」「暇してます」。
自分と同じように、予定外の時間を持て余している男がいる。
一件目は違う。二件目もそこまで。
でも三件目で、指が止まる。
年齢なのか、距離なのか、文章の感じなのか。理由は自分でもよく分からない。
最初から「会いたい人」がいたのではなく、募集を見たことで初めて「この人なら会ってみたい」が生まれることもあります。
会いたい。でも、何目的なんだろう
そこで次に出てくるのが、「で、会って何がしたい?」という話です。
答えがはっきりしている人もいれば、自分でもまだ分からない人もいます。
ここは、無理に一つへ決めなくてもいいところです。
友達のつもりで会ったのに妙に惹かれることもある。一度だけのつもりだったのに、翌週も会っていることもある。
逆に、写真もプロフィールも好みだったのに、実際に話してみたら「違うな」で終わることもあります。
まだ会ってもいない相手との関係に、先に名前を付ける必要はありません。
「セックスしたい」が理由でもいい
出会いについて書くと、「寂しい」「つながりたい」と理由をきれいに説明したくなります。
でも、毎回そんなに複雑ではありません。
抱きたい。抱かれたい。
恋人が欲しいわけでも、悩みを聞いてほしいわけでもない。
ただ、ここで一つだけ違いがあります。
同じセックス目的でも、その先に求めているものは同じとは限りません。
自分は「良ければまた」と思っていたのに、相手は最初から一度きり。
反対に、自分はその夜だけのつもりなのに、相手は継続する関係を期待している。
掲示板を開いた理由より、実際に会うときはこのあたりが大きくズレていない方が、お互いに気楽です。
会ってみたら、ただ話して終わることもある
待ち合わせ場所に相手が来る。
写真で見ていた顔と、実際に目の前で見る顔は少し違う。最初の数分は、どちらも何となくよそよそしい。
恋愛でもセックスでもなく、ただ誰かと話したかった。
会ってから初めて、そう気付くこともあります。
「普段、ゲイの友達あんまりいなくて」
「職場じゃこういう話しないしな」
「相談ってほどじゃないけど、誰かに話したかった」
長年の友達には話しにくいのに、今日初めて会った男には話せる。
自分の日常を知らない相手だからこそ、余計な説明をせずに話せることもあります。
その日は何も起こらず「じゃあまた」で別れたのに、数日後、本当にまた連絡する。
最初から友達を探していたわけではないのに、結果的に友達になる。そんな出会いもあります。
もちろん、誰にも会わず閉じる夜もある
掲示板を開いたからといって、その日のうちに誰かを選ぶ必要はありません。
何件か募集を見る。少しメッセージする。でも、だんだん「今日はもういいかな」と思ってくる。
探し始めたことは、誰かと会わなければならない理由にはなりません。
逆に、完全な暇つぶしだったのに、一人だけ妙に気になることもあります。
同年代だった。近所だった。文章の感じが好きだった。趣味が同じだった。
大きな理由なんてなくても、その一つで十分「ちょっと話してみようかな」になります。
何となく会った人が、次の予定になる
急に暇になって会った人。
何となく返信した人。
その日だけのつもりだった人。
一度で終わることもあります。セフレとして続くこともあります。友達になることも、そこから好きになることもあります。
逆に、何も起きず、その夜だけで終わることもあります。
それは会う前には分かりません。
ゲイ掲示板を開くきっかけなんて、案外このくらいです。
理由が先にあって相手を探す夜もあれば、相手を見つけたことで初めて「会いたい」と思う夜もあります。
そして掲示板の向こうにも、自分と同じように、ほんの少し予定が空いた男がいるかもしれません。
その出会いが何になるのか、まだ決まっていない。